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映像作家 寺本勇也 長編インタビュー前編 — 一瞬の判断が一生残る

2025.07.31
まず自己紹介をお願いします。
媒体問わずいろんなジャンルで作品を作っていきたいので、「映像作家」でお願いします。メインの仕事は映画制作なんですが、合間合間でSNS用のショート動画とか、広告映像のディレクターもやってます。
どんな経緯で映像作家になったのでしょうか?
学生時代はもう全く勉強できなかったです。だけど、テストで100点取る人や先生とかよりも、想像力では全然上回ってると思ってたんです。死ぬまでの間たくさん笑ってられる人生にしたいと思って、「お笑い芸人」か「映像制作」のどっちかだと思った。表現の幅が広く、より自由度が高いのが映像の世界だと思いました。映画デビュー作『追想と』の主演は板尾創路さん、その後の『傷』ではバッドボーイズの佐田正樹さん、最新の『ゆい』だと宮迫博之さんが出演してくださったり、芸人さんへのリスペクトは今でもすごくあります。
映像の現場はどんな雰囲気ですか?
毎回楽しいかと言われるとそうじゃなくて、むっちゃシリアスな時間も半分くらいあります。徹夜だったり、猛暑や極寒、大御所の緊張感とか、そんな壮絶な現場でも、後々振り返った時には面白かったりする。「あの時マジでやばかったよね〜」みたいな(笑)だから結果的に全て楽しいってことなんです。
映画・映像を作る上で大事にしてることやこだわりは?
ひとつの作品のなかで、どれだけブチかませてるかってことのような気がしてて。「君たちにはできないだろこれ」っていうショットや芝居を撮るようにしています。個人的には、内容がまとまってる綺麗な作品だとか、ただお芝居が上手いだけっていうのはあんまり興味がなくて。常に自分が惹かれるのは、多少粗くてもいいから、振り切った、殻を破ってる表現。
現場で大事なのは?
意外と1番大事なのは即興力かもしれません。毎秒毎秒、常に判断してるわけですよ。「この照明はオンかオフか?」「この時の目線はどこか?」「カメラは寄るか引くか?」「今の芝居はOKかNGか?」その一瞬の判断がフィルムとしては一生残るわけじゃないですか。常に大喜利をさせられてる感じで、ベストアンサーをその都度出さなきゃいけないので、気が抜けないですよね。

→ 後編へ続く

映像作家 寺本勇也 後編 — 少年時代の感覚、忘れたくない